
この座談会の登場人物はすべて架空です。ただし、語られる体験談はすべて筆者一人の実体験です。盛った発言には、その場でツッコミが入ります。
5年前の1.5万円は、正解だったのか
約5年前、約1.5万円の電動昇降デスクを買いました。有名メーカー品より手頃な価格帯の、メーカー・型番が特定できない1台です。
それが今どうなっているか。daddy base編集部の4人で査問会議をします。

今日の参加者




編集デスク
司会進行兼ツッコミ役。話が盛られたら「それは体験してから言いましょう」、脱線したら「いったん実物に戻ります」で場を戻します。
生活派パパ
今回の査問対象の持ち主で、筆者の実体験を代弁する当事者。いたって普通でマイペースです。
スペック先輩
サイズ、昇降幅、耐荷重、配線を見る担当。ふだんは丁寧ですが、仕様の話になると急にラベルを読み上げ始めます。口癖は「雰囲気で買うと、返品送料が現実になります」。
カオス部長
失敗シーン担当。部屋が片付いている前提を信用していません。今回もしていません。
査問その1:まず商品名を言ってください
編集デスク:第1回の議題は、生活派パパが5年使った電動昇降デスクです。まず商品名からどうぞ。
生活派パパ:分かりません。
編集デスク:初手から査問が成立しました。
生活派パパ:購入履歴を掘っても特定できなくて。本体ラベルにも決め手がなかったんです。分かっているのは、約5年前に約1.5万円だったことだけです。
カオス部長:つまり、名前も知らない机と5年間同居していたと。よく考えたらホラーですよ。
編集デスク:ホラーではなく、単に商品名不明の長期レビューです。むしろメーカーに忖度しようがない分、正直度は上がります。
この記事は特定の商品を推奨するものではなく、「1万円台の格安昇降デスクは5年もつのか」という一つの実例です。
査問その2:仕様をラベルから読み上げる
スペック先輩:確認できた仕様を読み上げます。電動昇降式、操作は上下ボタンのみ。黒のT字脚、木目調天板。耐荷重70kg。定格は2分使用・18分休止。天板裏にケーブルトレー。中国製。メモリー機能なし。上げるか、下げるか。それだけの机です。

カオス部長:「2分働いたら18分休む」って書いてあるんですか。うちの部署に欲しい勤務形態ですね。
スペック先輩:モーターの過熱を防ぐ定格です。人事の話ではありません。ただ、昇降は数十秒で終わるため、実用上この制約が気になる場面はまずありませんでした。
編集デスク:部長の転属希望は却下します。仕様はシンプル。価格なりに、機能を潔く削った構成です。
査問その3:5年使って、何が良かったか
生活派パパ:3つですね。まず、立って作業ができること。次に、高さの微調整。これは立っても座っても効きます。最後に、天板が広いこと。
スペック先輩:高さ微調整は昇降デスクの本質です。固定デスクは椅子の側で妥協するしかない。昇降式は、机のほうが体に寄ってきます。雰囲気で買うと返品送料が現実になりますが、この機能だけは雰囲気以上の実利があります。
カオス部長:逆に高さの合わない机だと、肩が上がったまま仕事することになりますからね。気持ちだけ常に謝罪会見です。
編集デスク:謝罪会見みたいな姿勢で5年も働く必要はありません。だからこその微調整です。……では、その上で聞きます。生活派パパ。立ち作業、今もしていますか。
査問その4:立ち作業は続いたのか
生活派パパ:……最初だけです。今は、ほぼ座りっぱなしです。
カオス部長:出ましたね。初週だけ立派に上下して、2週目からただの高価な机。あります。昇降デスクなのに、昇も降もしていない。
生活派パパ:高さは合わせましたよ。一度、完璧に。
編集デスク:「一度、完璧に」を名言みたいに言わないでください。ただ、実はここが今日いちばん大事な証言です。立ち作業をやめても後悔していないんですよね。
生活派パパ:はい。「立っても座っても高さを合わせられる」のと「広さ」が残ったので。座り専用の机としても普通に優秀なんですよ。
スペック先輩:整理すると、こうです。立ち作業の継続を前提に買わない。「立てる保険付きの、高さが自由な広い机」として買う。立ち作業が定着すればボーナス、しなくても損はない。
立ち作業が続くかどうかは、買う前には誰にも分かりません。続かなかった実例として言えるのは、「それでも元は取れる買い方がある」ということです。
査問その5:格安品の5年後。さあ、劣化を白状してください
編集デスク:本日のメイン議題です。約1.5万円のノーブランド品の5年後。ボタンの反応、モーター、天板。カオス部長、出番です。
カオス部長:待ってました。さあ、壊れたところを洗いざらい……
生活派パパ:それが、ないんですよ。不満も劣化も。今もかなり満足してます。
カオス部長:……失敗シーン担当の仕事がないんですが。
編集デスク:廃業してください。それがこの机の5年間の成果です。
カオス部長:悔しいので一つだけ言わせてください。名前も名乗らず5年間ノーミス。この家で一番義理堅いの、たぶんこの机です。
編集デスク:部長が真面目なことを言うと不安になりますが、今日いちばんの総括です。
ただし、これは我が家の1台が当たりだったという一つの実例です。型番すら分からない以上、同価格帯すべてに当てはまる保証はありません。それでも、1万円台の電動昇降デスクでも5年使い続けられた個体があったことは、筆者の実体験としてお伝えできます。
査問その6:カオス部長、最後の反撃
カオス部長:ケーブルトレー、付いてますよね。なんでケーブルが床で自由を謳歌してるんですか。
生活派パパ:……トレーは、付いてます。活用しきれてないだけです。
編集デスク:自由ではなく放置です。昇降デスクは机が上下する分、ケーブルに上がる余白が要ります。雑にやると使い勝手が下がります。
カオス部長:余白がないと、机を上げた瞬間にケーブルがピンと張る。部屋の中で一番緊張しているのがHDMIケーブル、みたいな日が来ます。最悪、昇降デスクより先に床のケーブルが昇天します。
編集デスク:昇天はしません。たぶん断線です。HDMIケーブルにそこまで背負わせないでください。
配線は、机の性能と別に使い勝手を左右します。ケーブルトレーは、付いているだけで自動的に片付くものではありません。
査問その7:それで、次は何が欲しいんですか
編集デスク:最後に。5年使って唯一出てきた要望が、故障でも機能でもなく——
生活派パパ:「もっと広くしたい」です。広さの快適さを知ると、もっと欲しくなるんですよ。次はL字型の昇降デスクを狙ってます。
カオス部長:広さに味をしめた人の末路だ。言っておきますが、L字は部屋に置いた瞬間、「便利な作業場」ではなく通路を支配する板になる可能性がありますからね。
編集デスク:末路ではなく次回予告です。板の支配問題は、買う前チェックの記事で改めて扱います。
今の候補を見る
この記事の机そのものは特定できていません。現在販売中の候補は、耐荷重・天板サイズ・操作方式(メモリー機能の有無)・保証の4点を確認して選んでください。
パソコンデスク スタンディングデスク メーカー3年保証 電動 無段階高さ調節 メモリー機能付き 人間工学 天板付きセット 組立簡単 (110×60cm, 脚部(黒)+天板(ブラック)) シンプルな電動昇降デスク。まず候補にしやすい定番タイプです。 昇降式デスク 幅160 メモリー機能 standing desk 電動昇降 衝突検知 静音 机 オフィス ワーク 桌子 組立簡単 ホワイト L字型昇降デスク。作業スペースを広く取りたい人向けです。 昇降式デスク 幅150*120 ゲーミングデスク 高さ調節 メモリー機能 パソコンデスク 衝突検知 静音 コンセント付き 机 オフィス モニター台 ワーク 組立簡単 ホワイト モニター台一体型L字昇降デスク。個人的にいちばん気になるタイプです。
SANODESK 昇降デスク QS1
AODK 昇降デスク 電動 L字型
AODK 昇降デスク 電動 L字型(モニター台付)
4人の査問結論
編集デスク:「約1.5万円の格安昇降デスクは5年もつのか」。少なくとも1台、もった実例がここにあります。ただし再現性の保証はありません。そこは正直に。
生活派パパ:立ち作業は続きませんでした。それでも「高さの自由」と「広さ」で、座り専用になった今も元は取れています。
スペック先輩:買うなら、立ち作業の継続を前提にしないこと。「立てる保険付きの、高さが自由な広い机」として仕様で選んでください。雰囲気で買うと、返品送料が現実になります。
カオス部長:最後にひとつだけ。ケーブルトレーは、付いているだけでは何もしてくれません。
